https://jp.reuters.com/article/maori-idJPKBN2W106A?rpc=122
アングル:NZのマオリ族、対話型AIによる「植民地化」警戒
[3日 トムソン・ロイター財団] - 米オープンAIが、マオリ語を含む数十種類の言語を英語に翻訳する音声認識ツール、「ウィスパー(Whisper)」を始動した時、ニュージーランド先住民の多くは警戒心を抱いた。
オープンAIが、マオリ語を含む数十種類の言語を英語に翻訳する音声認識ツール、「ウィスパー(Whisper)」を始動した時、ニュージーランド先住民の多くは警戒心を抱いた。写真は2018年10月、ヘンリー英王子夫妻を歓迎する式に到着するマオリ族の人たち。ウェリントンで撮影(2023年 ロイター/Phil Noble)
対話型人工知能(AI)「チャットGPT」を運営する同社が昨年9月に公開したウィスパーは、68万時間分のインターネット上の音声を学習しており、マオリ語についても1381時間分を学習した。
先住民の技術と文化の専門家は、こうしたツールは先住民言語の保護と復活に役立つ一方で、同意を得ずにデータを収集すれば悪用や先住民文化の歪曲(わいきょく)、少数民族の権利剥奪につながる恐れがあると指摘する。
マオリ族に属し、オークランド大学の倫理学者にして名誉研究員のカライチアナ・タイウル氏は「データはわれわれの土地であり、天然資源のようなものだ」と語り、「先住民族が自分たちのデータの主権を握れないなら、この情報社会の中であっさりと再植民地化されてしまうだろう」と警戒感を示した。
ロイターはオープンAIにコメントを要請したが、回答は得られなかった。
同社はウェブサイトに「AIシステムが信頼できる方法で開発されるよう、業界リーダーおよび政策立案者と」協力している、との文章を載せている。
ウィスパーのような生成AIは主にネット上で集めた大量のデータを学習し、文章や画像、動画などを生成するもので、教育から法律まで幅広い分野において急速に活用が進んでいる。
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